AI開発環境セットアップガイド 2026 — Cursor・Claude Code・Ghostty
AI開発環境セットアップガイド 2026
対象 macOS: macOS Sequoia(15) 最終更新: 2026-02-15 想定読者: MacBook を持っている開発者(新規購入でも OK) 所要時間: 約45分
はじめに
この記事のゴールは、Mac で AI と一緒にコードを書き始められる状態を作ることです。
「AI と一緒にコードを書く」とは、コードエディタやターミナル(後で説明します)の中で AI に指示を出しながら、プログラムを作っていくスタイルのことです。2026年現在、このスタイルは一部の先端的な取り組みではなく、日常の開発手法になりつつあります。
このガイドでは、筆者が実務で毎日使っているツールだけを厳選しました。「流行っているから」ではなく、「毎日使って手放せなくなったから」選んだものばかりです。
この記事で手に入る環境:
| ツール | 役割 |
|---|---|
| Dia | AI を内蔵したブラウザ(調べもの用) |
| GitHub | コードを保存・共有するクラウドサービス |
| Git | ファイルの変更履歴を管理するツール |
| Ghostty | 高速ターミナル(コマンドを打つ画面) |
| Cursor | AI を内蔵したコードエディタ |
| Claude Code | ターミナルで動く AI コーディングエージェント |
| Typeless | AI 音声入力ツール |
Mac の細かい初期設定(トラックパッド速度、Dock 配置、キーボード設定など)は、別記事の MacBook 初期設定ガイド にまとめています。開発環境が整ったあとで、使い勝手を詰めたいときに参照してください。
開発ツールのインストール
ここからが本番です。上から順番に進めてください。
1. Dia — AI ブラウザ
ブラウザ とは、Web サイトを見るためのアプリのことです。Chrome や Safari がおなじみですが、Dia は AI が組み込まれた新しいブラウザ です。
Dia って何がすごいの?
普通のブラウザは「ページを表示する」だけですが、Dia は見ているページの内容を AI が理解して、質問に答えたり要約してくれます。開発中にドキュメントを読むとき、「この API の使い方を教えて」と聞けるのは想像以上に便利です。
インストール手順:
- 以下の URL をブラウザ(Safari や Chrome)で開く
- 「Download」ボタンをクリック
- ダウンロードされた
.dmgファイルを開く - Dia のアイコンを「Applications」フォルダにドラッグ&ドロップ
- Launchpad(アプリ一覧)または Finder の「アプリケーション」から Dia を起動
.dmgファイルとは? Mac 用のインストーラー形式です。ディスクイメージと呼ばれ、開くと中にアプリが入ったウィンドウが表示されます。「Applications にドラッグ」すればインストール完了です。
2. GitHub アカウントの作成
GitHub(ギットハブ) とは、プログラムのソースコード(プログラムの設計図にあたるテキストファイル)をインターネット上に保存・共有できるサービスです。世界中の開発者が使っており、チーム開発では事実上の標準です。
なぜ GitHub が必要?
- 自分が書いたコードを 安全にバックアップ できる
- チームメンバーと 同じコードを共有 して一緒に開発できる
- コードの 変更履歴(いつ・誰が・何を変えたか)を記録できる
アカウント作成手順:
- https://github.com/ にアクセス
- 「Sign up」をクリック
- メールアドレス、パスワード、ユーザー名を入力
- メールで届く認証コードを入力して完了
ユーザー名のコツ: 本名やハンドルネームなど、仕事で使っても恥ずかしくない名前にしましょう。このユーザー名は公開され、あなたのプロフィール URL(
github.com/ユーザー名)になります。
3. Git のインストール
Git(ギット) とは、ファイルの変更履歴を記録・管理するためのツールです。たとえば「3日前の状態に戻したい」「誰がこの行を変更したか知りたい」といったことができます。Word の「変更履歴」機能の超強力版だと思ってください。
なぜ Git が必要?
先ほどの GitHub はクラウドサービス(インターネット上のサービス)ですが、Git は手元のパソコンで動くツールです。Git を使ってコードの変更を記録し、GitHub にアップロードする、という関係です。
インストール手順:
Mac には Git を簡単にインストールする方法があります。Xcode Command Line Tools という Apple 純正のツールセットに Git が含まれています。
-
ターミナルを開く:
⌘ + Space(Spotlight)→「ターミナル」と入力 → Enterターミナル とは、キーボードで文字のコマンド(命令文)を打ち込んでパソコンを操作するアプリです。マウスでクリックする代わりに、文字で指示を出します。最初は怖く感じるかもしれませんが、コマンドをコピー&ペーストするだけで OK です。
-
以下のコマンドをコピーして、ターミナルに貼り付け、Enter を押す:
xcode-select --install -
ダイアログが表示されたら「インストール」をクリック(数分〜十数分かかります)
インストールの確認:
git --version
git version 2.x.x のようにバージョンが表示されれば成功です。
4. Ghostty — ターミナル
ターミナル とは、コマンド(文字の命令)を打ち込んでパソコンを操作するアプリです。Mac には標準で「ターミナル.app」が入っていますが、ここでは Ghostty というより高性能なターミナルをインストールします。
なぜ Ghostty?
- 超高速: GPU(グラフィック処理チップ)を使って画面を描画するので、大量のログが流れてもカクつかない
- 設定がシンプル: テキストファイル1つで設定が完了する
- 見た目がきれい: フォントの描画がとても美しく、長時間の作業でも目が疲れにくい
後のステップで Claude Code(ターミナルで動く AI)を使うので、快適なターミナルがあると作業効率が大きく変わります。
インストール手順:
- https://ghostty.org/ にアクセス
- 「Download」ボタンをクリック
- ダウンロードされた
.dmgファイルを開く - Ghostty のアイコンを「Applications」フォルダにドラッグ&ドロップ
- Launchpad または Finder の「アプリケーション」から Ghostty を起動
フォントの設定:
Ghostty をインストールしたら、プログラミング向けのフォントを設定しましょう。PlemolJP Console NF という日本語対応のプログラミングフォントがおすすめです。
プログラミングフォント とは、コードが読みやすいように設計された等幅フォント(すべての文字が同じ幅のフォント)です。
0(ゼロ)とO(オー)、1(イチ)とl(エル)が区別しやすいなどの工夫がされています。
このフォントのインストールと Ghostty への設定は、後のステップ「Claude Code で残りの設定を自動化」で Claude Code に任せます。手動でやるより正確で速いので、ここでは Ghostty のインストールだけで OK です。
5. Cursor — AI コードエディタ
コードエディタ とは、プログラムのソースコードを書くための専用エディタです。Word がレポートを書くためのツールなら、コードエディタはプログラムを書くためのツールです。
Cursor って何?
Cursor は、VS Code(マイクロソフトが作った世界で最も人気のあるコードエディタ)をベースに、AI 機能を統合したエディタです。つまり、VS Code の使いやすさはそのままに、AI がコードの補完・修正・生成を手伝ってくれます。
VS Code と何が違うの?
| 機能 | VS Code | Cursor |
|---|---|---|
| コード編集 | ○ | ○(VS Code と同じ) |
| 拡張機能 | ○ | ○(VS Code の拡張がそのまま使える) |
| AI によるコード補完 | △(拡張が必要) | ○(標準搭載) |
| AI とのチャット | △(拡張が必要) | ○(標準搭載) |
| AI によるコード編集 | ✕ | ○(ファイル横断で一括編集可能) |
ひとことで言えば、「VS Code + AI の合体版」 です。
インストール手順:
- https://cursor.com/ja/download にアクセス
- 「Download」ボタンをクリック
- ダウンロードされた
.dmgファイルを開く - Cursor のアイコンを「Applications」フォルダにドラッグ&ドロップ
- Launchpad または Finder の「アプリケーション」から Cursor を起動
- 初回起動時に VS Code の設定をインポートするか聞かれます。VS Code を使っていた人は「Yes」、初めての人は「Skip」で OK
6. リポジトリのクローン
リポジトリ とは、プロジェクトのファイル一式(ソースコード、ドキュメント、設定ファイルなど)をまとめて管理する「倉庫」のようなものです。GitHub 上のリポジトリを自分のパソコンにコピーすることを クローン(clone) と言います。
なぜクローンが必要?
GitHub に保存されているコードを自分のパソコンにダウンロードしないと、編集や実行ができません。クローンはその最初の一歩です。
手順:
-
Ghostty(ステップ 4 でインストール済み)を開く
-
コードを置くフォルダを作る:
mkdir -p ~/srcmkdirは「make directory」の略で、フォルダを新しく作るコマンドです。-pオプションは「途中のフォルダもまとめて作る」という意味。~/srcの~は「ホームフォルダ」(自分の個人フォルダ)を表します。 -
そのフォルダに移動する:
cd ~/srccdは「change directory」の略で、今いるフォルダを移動するコマンドです。 -
リポジトリをクローンする:
git clone https://github.com/ユーザー名/リポジトリ名.git実際の URL は、GitHub のリポジトリページで緑色の「Code」ボタンをクリックすると表示されます。HTTPS タブの URL をコピーしてください。
-
クローンしたフォルダに移動する:
cd リポジトリ名 -
Cursor で開く:
cursor .cursor .は「今いるフォルダを Cursor で開く」コマンドです。.(ドット)は「今いるフォルダ」を意味します。もしcursorコマンドが見つからないと言われたら、Cursor を起動 →⌘ + Shift + P→「Shell Command: Install」と入力 → Enter で有効化できます。
7. Claude Code — AI コーディングエージェント
Claude Code(クロード・コード) とは、ターミナル上で動く AI コーディングエージェントです。「エージェント」とは、指示を受けて自律的に作業を進めてくれる AI のことです。ファイルの読み書き、コマンドの実行、Git 操作まで、開発に必要な操作を AI が直接行えます。
Cursor と何が違うの?
- Cursor: コードエディタの中で AI と対話する。視覚的にコードを見ながら作業できる
- Claude Code: ターミナルの中で AI と対話する。ファイル操作やコマンド実行など、より広範な作業を任せられる
両方を併用するのがおすすめです。コードを書くときは Cursor、まとまった作業を AI に任せるときは Claude Code、という使い分けです。
前提条件のインストール:
Claude Code を動かすには、Node.js(プログラミング言語 JavaScript の実行環境)が必要です。Node.js のインストールには Homebrew(Mac 用のパッケージマネージャー。ソフトウェアをコマンド1つでインストールできるツール)を使います。
(1) Homebrew のインストール:
Ghostty を開いて、以下のコマンドを実行してください:
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
このコマンドは、Homebrew の公式インストールスクリプトをインターネットからダウンロードして実行しています。途中でパスワードを聞かれたら、Mac のログインパスワードを入力してください(入力中は画面に何も表示されませんが、正常です)。
インストールが完了したら、画面に表示される指示に従ってパスを通します:
# Apple Silicon Mac(M1/M2/M3/M4)の場合:
echo 'eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"' >> ~/.zprofile
eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"
「パスを通す」 とは、コマンドの名前だけで実行できるように設定することです。パスが通っていないと、
brewと打っても「そんなコマンドは知らない」と言われてしまいます。
確認:
brew --version
(2) Node.js のインストール:
brew install node
確認:
node --version
v22.x.x のようにバージョンが表示されれば OK です。
Claude Code のインストール:
npm install -g @anthropic-ai/claude-code
npmは Node.js に付属するパッケージマネージャーです。Homebrew が Mac 全体のツールを管理するのに対し、npm は JavaScript/Node.js 関連のパッケージを管理します。-gは「グローバル(どこからでも使えるように)インストール」の意味です。
起動と認証:
claude
初回起動時に認証画面が表示されます。ブラウザが自動で開くので、画面の指示に従ってログインしてください。
Anthropic アカウントとは? Claude Code は Anthropic(アンソロピック)社が提供するサービスです。初回起動時に Anthropic のアカウント作成画面が表示されるので、メールアドレスで登録してください。Claude Code の利用には API クレジット(従量課金)が必要です。まずは少額からお試しできます。詳しくは Claude Code のインストール解説記事 も参考にしてください。
cc エイリアスの設定:
claude と毎回打つのは長いので、cc という短縮コマンドを設定しましょう:
echo 'alias cc="claude"' >> ~/.zshrc
source ~/.zshrc
エイリアス(alias) とは「別名」のことです。
ccと打つだけでclaudeコマンドが実行されるようになります。.zshrcはシェル(ターミナルの中で動くプログラム)の設定ファイルで、ターミナルを開くたびに自動で読み込まれます。
これで cc と打つだけで Claude Code を起動できます。
8. Typeless — 音声入力
Typeless(タイプレス) は、話した言葉を高精度でテキストに変換する音声入力アプリです。
なぜ音声入力?
AI と対話しながら開発するスタイルでは、AI への指示出しが作業の大きな割合を占めます。このとき、キーボードで長文を打つよりも、話して入力するほうが圧倒的に速いです。
特に Claude Code では、「このファイルを読んで、こういう修正をして、テストも実行して」といった自然言語の指示を書くので、音声入力との相性が抜群です。
インストール手順:
- https://www.typeless.com/ にアクセス
- 「Download for Mac」をクリック
- ダウンロードされたファイルを開いてインストール
- 初回起動時にマイクのアクセス許可を求められたら「OK」
Claude Code で残りの設定を自動化
ここまでのステップで、主要なツールはすべてインストールできました。あとは Git の初期設定や SSH 鍵(GitHub との安全な通信に使う暗号鍵)の生成など、細かい設定が残っています。
これらの設定を、Claude Code に任せましょう。
これが AI 開発環境の真骨頂です。設定作業を1つ1つ手動でやる代わりに、AI に「こういう設定をして」と指示するだけで、正しいコマンドを実行してくれます。
手順:
- Ghostty を開く
cc(またはclaude)と入力して Claude Code を起動- 以下のプロンプト(AI への指示文)をコピーして貼り付ける:
以下の開発環境セットアップを行ってください。
1つずつ確認を取りながら進めてください。
1. Git の初期設定
- user.name と user.email を設定(名前とメールアドレスを聞いてください)
- デフォルトブランチを main に設定
- core.autocrlf を input に設定
2. SSH 鍵の生成と GitHub 登録
- ed25519 方式で SSH 鍵を生成
- ~/.ssh/config を作成
- 公開鍵をクリップボードにコピー(GitHub への登録方法を案内)
- 接続テスト
3. グローバル .gitignore の設定
- .DS_Store、.idea/、.vscode/、.env などを除外
4. Ghostty のフォント設定
- PlemolJP Console NF フォントをインストール
- Ghostty の設定ファイルでフォントを指定
5. macOS の開発者向け defaults write 設定
- Finder のリスト表示をデフォルトに
- Finder でフルパス表示
- キーリピート高速化(ApplePressAndHoldEnabled を先に無効化)
- Dock のアニメーション速度アップ
「1つずつ確認を取りながら」がポイント
プロンプトに「1つずつ確認を取りながら」と書いておくと、Claude Code は各ステップで「次に進んでいいですか?」と聞いてくれます。何をしているか分からないまま進むのを防げるので、初めてのセットアップでも安心です。
応用: 上記のプロンプトは一例です。自分の環境に合わせて項目を追加・削除してください。たとえば「zsh のプロンプトをカスタマイズして」「よく使う Git エイリアスを設定して」なども Claude Code に任せられます。
おわりに
おつかれさまでした。ここまでの作業で、以下の環境が整いました:
| 完了した項目 | 状態 |
|---|---|
| AI ブラウザ(Dia) | インストール済み |
| GitHub アカウント | 作成済み |
| Git | インストール・設定済み |
| ターミナル(Ghostty) | インストール・フォント設定済み |
| コードエディタ(Cursor) | インストール済み |
| AI エージェント(Claude Code) | インストール・認証済み |
| 音声入力(Typeless) | インストール済み |
| SSH 鍵 | 生成・GitHub 登録済み |
| 開発者向け macOS 設定 | 適用済み |
あとは Cursor を開いて、コードを書き始めるだけです。
AI と一緒に開発を始める最初の一歩として、Claude Code に話しかけてみてください:
cc
このリポジトリの構成を教えて
AI がプロジェクトの全体像を読み取って説明してくれます。
Mac の使い勝手をさらに詰めたい人は、MacBook 初期設定ガイド へ進んでください。トラックパッド設定、キーボードカスタマイズ、ウィンドウ管理など、日々の操作を快適にする設定をまとめています。